2007年11月10日土曜日

「PCB汚染」想定し訓練 来春稼働の室蘭の処理施設

来年4月に稼働するポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物処理施設(室蘭市仲町)で6日、初の総合防災訓練が行われた。同施設の職員や市消防本部の消防士ら約160人が参加。化学防護服や、人体から汚染物を除去する「除染テント」を使用した本番さながらの内容だったが、参加者からは今後の訓練に改善を望む声もあった。  訓練は市消防本部、運営主体の日本環境安全事業(JESCO)北海道事業所などが主催。PCBを含む大型トランスの解体場所で火災が発生、避難中に作業員二人が負傷し、そのうち一人の防護服が破損したため、PCBに汚染された恐れがあるとの想定で行った。  JESCO北海道事業所が購入し、市消防本部に貸与している化学防護服十着と除染テントも登場。消火活動とともに、救急隊員が施設内から負傷者を救出、除染テント内で汚染物を温水で洗い流し、病院へ搬送した。  十月下旬に二回、ほぼ同じ手順で練習を行っており、訓練は予定通り一時間以内で終了した。  胆振支庁環境生活課の大林純一主幹は講評で「火災の場合、PCBが蒸発し濃度の高いPCBが漏れる恐れがある。今後はPCB濃度の計測や周辺環境への影響も緊急時の確認事項に加えてほしい」と指摘した。  地域住民を代表して見学した御崎町会の佐々木作次郎会長(77)は訓練終了後、「住宅地まで五百メートルしか離れていないので、(今回の訓練で)安心せず、細かな訓練を重ねてほしい」と話した。

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