2007年12月3日月曜日

札幌ロイヤルホテル再開 新機軸で徐々に活気 解雇の従業員7割超復帰

運営会社の経営破たんでいったん閉館していた老舗都市型ホテル、札幌ロイヤルホテル(札幌市中央区南七東一)が新たな運営会社を得て二カ月ぶりに営業を再開した。解雇された従業員は七割以上が復帰。再開から一週間がたち、客足も徐々に戻りつつあるようだ。  一九六四年開業の同ホテルは、札幌の都市型ホテルでは札幌グランドホテルに次ぐ二番目の歴史を持つ。しかし、運営会社の札幌国際観光(札幌)が経営難に陥り、八月に民事再生法の適用を申請。同社が持つ二つのホテルのうち、センチュリーロイヤルホテルの営業は継続したが、札幌ロイヤルホテルは譲渡先が見つからないまま九月末に閉館した。  ところがその後、ゴルフ場運営の恵庭開発(札幌、柴田和徳社長)が同ホテルを購入、一転して十一月二十三日に営業を再開することに。再開初日には長年のファンら約百人が宿泊し、八十五の客室はほぼ満室となった。インターネット予約が休止中という影響もあって、平日はまだ二十人前後だが、山田勝晴総支配人は「旅行会社との再契約も順調に進み、年末年始は予約で満室の日もある」と手応えを語る。  再開後の新たな試みとしては、帯広の人気ベーカリー「十勝ベーグル」の商品を毎日百個限定で販売。同店の商品が帯広以外で購入できるのは同ホテルのケーキ売り場だけで、午後一時からの販売ながら、連日ほぼ完売という好評ぶりだ。また、営業再開を口コミで観光客らに伝えてもらおうと、タクシー運転手向けに特別ランチ(八百四十円)を設けるユニークな試みも。  九月の閉館時に百三十五人いた従業員のうち、希望した百人を恵庭開発が再雇用。十二月に宴会部門を再開するため、年内には派遣社員らをさらに四十人程度を採用する予定だ。  柴田社長は「従業員の再雇用のため営業再開を急いだ面もあり、ホテルの抜本的な改革方針を来春をめどに策定したい」と話し、年明け以降に「新生・札幌ロイヤル」の特色をさらに鮮明に打ち出す考えだ。

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