2007年12月7日金曜日

客引きVS道警 ぼったくり攻防激化 ススキノ

札幌・ススキノのぼったくり店の客引きが、警察の摘発を逃れようと、路上で客を誘った後、途中で別の客引きに引き継ぐ新たな手口を使い始めた。客をリレーすることで、安い料金を提示した最初の客引きと店が無関係なことを装うのが狙いだ。これに対して道警は、長期間の内偵で店の客引き全員を割り出して一網打尽にする手法で対抗。今年はすでに過去最高の五十人を逮捕しているが、忘年会シーズンに入り、店と警察の攻防は一段と激しくなっている。  ぼったくり店の捜査は、客引きが店に客を連れ込んだところに捜査員が踏み込み、道ぼったくり防止条例を適用して店長や客引きらを現行犯逮捕するのが一般的だ。客引きは、不当な料金の提示から店に連れ込むまでが犯罪行為の前提となる。  しかし、リレー方式では、最初に声をかけた客引きと実際に店に連れ込んだ客引きが違うため、最初の客引きが「どんな店に行ったのかは知らない」としらを切り、連れ込んだ客引きも「値段の交渉の中身は知らない」と主張することで、摘発を逃れる可能性がある。  札幌中央署が十一月末に摘発した店の経営者の暴力団員と客引きら七人は、リレー方式に加えて、客が警察に届け出ないよう四万円程度の比較的少額を請求する「プチぼったくり」と呼ばれる手口を多用。店外の監視役が店を出た客に付きまとい、「この辺はこんな相場だよ」となだめたり、怒りが収まらない客に一部を返金し、警察への通報を巧みに防いでいた。  こうした手口の巧妙化に、札幌中央署も新たな手法で対抗する。三カ月近い内偵で、ぼったくり店と関係する客引き全員を事前に特定した上で一斉に逮捕する「一網打尽方式」で、五日までに五十人を摘発。ススキノに昨春、十数店あったぼったくり店は、数店に減った。  ただ、道警などによると、ぼったくり店の売り上げは月五百万円前後、客引きの月収も三十万-七十万円に上るとみられる。同条例の罰則は「一年以下の懲役または百万円以下の罰金」と比較的軽いため、「逮捕覚悟で稼ぐ者もいる」(捜査関係者)のが実態で、客引きと警察のいたちごっこは当分、続きそうだ。(北海道新聞 引用)

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