2007年9月2日日曜日

厚岸漁協、CMでカキの安全PR あすから全道放映 風評被害で続く低迷

【厚岸】厚岸漁協は二日から、地元産海産物を取り扱う町内港町の直売店をPRする初のテレビコマーシャル(CM)を全道放映する。狙いの中心は、ノロウイルスによる風評被害で低迷を続けている特産のカキの需要回復だ。ホテルや大手スーパーからの引き合いが減り、一-八月の水揚げ高は昨年の六割に落ち込んでおり、同漁協は「CMを見て消費者が直売店にカキを注文してくれれば」と切実だ。  CMは十五秒間で、海産物や直売店を大写しにして、加藤大将(だいすけ)店長が「安全安心、真心込めて厚岸漁協直売店から直送します」と訴える内容になっている。制作費を含めて百九十万円をかけ、十一月末まで月に十五回、北海道テレビ(HTB)で全道放送する。  CMではアサリ、サンマ、ホッキ貝など多くの海産物を売り込んでいるが、主眼はカキだ。  ノロウイルスによる食中毒多発で昨年十二月ごろから広がったカキの敬遠ムードは依然続き、今年一月-八月二十五日の同漁協の水揚げ量は二百七トンと昨年同期の三割減。水揚げ高は一億四千四百万円と同四割も落ち込んでいる。  道によると、道内では昨年、今年とカキが原因の食中毒は起きていないが、「万一、客や従業員から発症者が出ては」(札幌の大手ホテル)とリスクを回避するため、仕入れを手控えるホテルやスーパーが多い。  京王プラザホテル札幌(札幌市中央区)もその一つ。二○○四、○五年には厚岸産カキを使ったレストランフェアを二月に実施し、「ランチだけで来店客は一日平均二百人と過去最高の集客を記録した」(同ホテル)が、現在カキやアサリは仕入れていない。  風評被害による漁業者への打撃は大きく、同漁協カキ・アサリ班長の漁業丹羽(たんば)良明さん(53)は「今年一-七月のカキの水揚げ高は例年の半分。自腹を切って月一度の細菌検査を行い、水槽の海水を殺菌する施設を導入するなど衛生面には十分気を使ってきたのに」と話す。  カキは例年、産卵期が終わって身が大きくなり始める十月ごろからが実需期。CMでホテルやスーパーの動向が変わるか未知数だが、厚岸漁協の大場敏広参事補は「他の海産物を含め、消費者レベルから購買意欲が高まってくれれば」と期待を寄せている。(北海道新聞 引用)

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